コストコストコスト

嫌な擬音みたいだな。
コミックスを、全体的にはビニールパックをしつつ、見本を出すにはいくつかの方法が有る。

立ち読み用の透明カバーを付けて、「見本」シールを貼る

比較的本が傷みにくく、最初から何ページかだけの見本を作りたい場合*1にも使える。スリップを一体にしたまま売り場に置いておけるなどの利点がある。ただし、透明カバーを購入するコストがかかる。

内容をコピーして見本小冊子を作る

本を一切傷めることなく見本を作れる利点がある。また、必然的に「一部分だけの見本」を作ることにできる。ただし、多数のページをコピーするとコストが増す。個人的な意見だが、その作品が面白いかどうか判断するためには、最低でも50ページは試し読みしたいところだ。ちなみに当店では大体80ページを基準として見本を出している。

出版元などからもらえる見本の小冊子を使う

書店ではほとんどコストを気にすることなく使えるが、必ずしも見本を出したい商品のものが存在するとは限らない。また、全体的にページ数が少ないことが多い。たったそれだけ読んだって面白いかなんて判断できないだろうというものもある。

ビニールパックをしないで置いておく

コストが一切かからず、どんな本でも見本にすることができる。ただし、本が傷みやすい、スリップを抜いておく必要がある、見本と明確にわからないため他の本までパックを外され立ち読みされるなど、デメリットが大きい。

これぐらいのコストなんて微々たるもののはずなのに、「お金がかかる」というだけで後込みしてしまう。全然儲かっていないからしょうがないんだけど、お客さまの利益になることに対してコストを掛けないというのもちょっと違うんでないのかとは思う。
僕は、コミックスにはシュリンクを付ける立場を堅持している*2が、理想的にはシュリンクなんかしたくないとも思っている*3
結局僕は、立ち読み客をハタキで追い出すような、前時代的な本屋に憧れているのかもしれない。