書店員やめます

2008年11月15日をもって、勤務先から解雇されることになりました。
約5年、学生時代のバイトも含めると10年の書店員としての生き方に、一旦ピリオドを打つこととなりました。
解雇の原因は色々有りますが、私が体調を崩しフルタイムで勤務できなくなったのが大きいです。ここ1年近く我慢して使いつづけてもらった会社には感謝していますので、解雇も納得した上で、受け入れました。
もちろん、正直な気持ちとしては、残念ですし、もっと書店員を続けていたかったと思います。書店員として、何事も成し遂げることなく、リタイアしてしまうことは、自分にがっかりしています。
書店員30歳定年説というのがまことしやかに囁かれるなか、まさに、アラウンドサーティーにて、退職と相成りました。
今後の予定はまだ決めていません。実家に戻るのは確実だと思われますが、次の仕事は決めていません。書店員に未練はありますが、出版業界の片隅で、業界の厳しさを改めて知った今は、あえてまったく違う職業に就くことも考えています。
いままで、書店に興味を持って当ブログを見にきていただいた方、及び書店員としての私個人を応援していただいた方、本当にありがとうございました。
同じ職場の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。系列店のコミック担当者の皆様にも、私が先頭に立って旗を持つような素振りを見せただけで、結局あまり活動できなかったことを深くおわび申し上げます。申し訳有りませんでした。
このブログは、私が書店員でなくなるのと時を同じくして、タイトルの変更を行います。その後は、元書店員の日記という形で個人的なことを書き綴っていく予定です。
もしよろしければ今後も仲良くしてやってください。

ある書店員の日常


体調不良で欠勤したり、早退したりで溜め込んだ、○日分のスリップ。これは一応整理されて、複数冊売れているものは1枚だけにして、売れ数が記入してある。

21:40頃。店頭で在庫を確認し、帰宅。自宅でネット発注するために持ち帰ったスリップ。

23:00頃。途中経過。

0:30頃。終了。残っているのは、品切れで発注できなかったので、版元にFAX等で注文するために、また出勤時に持っていく分など。
えーと、2ヶ月ほど前に「家は休む所だ」と言ったばかりな気がしますが、もはや、発言当時にどういう仕事の進めた方をしていたのかおぼえていません。でもできれば定時出勤定時退社で仕事は済ませ、家ではしっかり休めるようにしたいですね。

『よつばと!』がコンビニで面陳に

昨日コンビニ*1に行ったら、雑誌の陳列棚に外付けしてあるラックに、『よつばと!』が置いてあった。先日までは『イキガミ』が置かれていた場所だ。
コンビニで売られるような本は、大衆的で、もっと言えばミーハーな本が多い*2わけだけれど、そこに『よつばと!』が加わっていたのには、ちょっと驚いた。
たしかに、最新刊の売上の初速は、当店では、『ONE PIECE』と同レベルで、エース級なのだけれど、はたして、コンビニという場所に馴染むだろうか。
でも、これはかなりいい作戦では無いかと思う。『よつばと!』は旧メディアワークス(現アスキー・メディアワークス)という、ほぼオタク専門出版社から発売されている。普通の人は、連載されている『電撃大王』など、その誌名すら知らない。しかし、『よつばと!』はオタクも楽しめるが、そうでない普通の人にも充分楽しんでもらえるマンガだ。コンビニに置くことで、マンガに詳しくない人にも手に取ってもらえる状況と言うのは好ましい。
コンビニで買わずに書店で買ってくれればもっと好ましい。

*1:サンクス

*2:メディアミックス作品の廉価版など

s-book.com終了

長い間s-book.comをご愛顧いただきありがとうございました。

ご利用いただいておりますs-book.comは、「2008年9月11日」23:00をもちまして、
受注および新規会員登録を終了させていただきます。
現在ご注文、ご予約いただいております商品の未着等のお問い合わせにつきましては、
s-book.comカスタマーサービスにて「2008年11月26日」17:00まで対応させていただきます。

http://www.s-book.com/home.html

雑誌のバックナンバーの検索、発注ができて便利だったはずなのに。
あとは書店向けのs-book.netでは品切れでも、こちらには在庫が有ったりとか。まあこれは書店としてはムカツク点ではあったけど。
まあ、利用率が低かったということなのかな。ウチだと年に10件あるかないかくらいだったし。

情熱の空回りではないのか

全国書店新聞 8月11日号記事に対して、はてなブックマークで、下記のコメントをつけた。

2008年08月15日 mayoneez mayoneez 出版, 書店 『その後、取引先の太洋社から日教販への仲間卸しで入手できた』だったら最初からそうすればいい。まずお前が手を尽くせ/もちろん、版元の対応は悪いのは間違いないが

http://b.hatena.ne.jp/mayoneez/20080815#bookmark-9650714

すると、id:himagine_no9さんからツッコミをもらった。

2008年08月14日 himagine_no9 himagine_no9 書店, 出版 ↑版元と(形の上では)話をつけてるのに、それ以上の手を尽くせってのはおかしかねぇかい? 結果として版元からは回ってこなかったというだけで、本来ならそこで片が付く問題だと思うが。

http://b.hatena.ne.jp/himagine_no9/20080814#bookmark-9650714

はてなブックマークのコメントには字数制限で書けないので、こちらで、返答させていただきます。
まず、版元が一番ダメだというのは同じ考えです。それは疑いようもありません。約束を守らないのはもちろんのこと、正味90%を提案してくるあたりも、普通の感覚からすれば異常です。
ただ、僕が言いたいのは、この書店は無理を通したから失敗したのだ、ということです。『取引先の太洋社から日教販への仲間卸しで入手できた』という確実なルートがあったにも関わらず、卸せないという版元に食ってかかり、結果的には利益が出ないにも関わらず、普通ではない直取引を選択して、なおかつ、最終的にはお客様に届くまでさらに、余計な時間をかけてしまっています。
太洋社経由で入手できるのであれば、最初にそちらを選択すべきだったと思いますし、それがお互いのためだったと思います。少なくとも日販*1であれば日教販扱いの本の取り扱いはそれほど珍しいことではないです。取次経由で取れるんじゃないかなー、という気は回せたのではないかと思います。
だから、僕は『まずお前が手を尽くせ』と書きました。お客様の立場に立つのは大事だし、何としても入手しようとした情熱は認めないではないですが、「あなたが選択した結果がそれではないか」、と思ったのです。「確実なルートを探せなかったのはあなたではないか」と。
ただ、繰り返しになりますが、直送すると言っておきながら、それをしなかった版元がおかしいのは間違いないです。それと「日教販にしか卸せない」としか言わず、他の取次でも日教販経由で取れる可能性を認識していなかった(っぽい)のもダメダメです。
ただ、書店の選択も、正しいものではなかったのではないかと思うのです。

*1:僕は日販帳合の書店にしか勤務をしたことがないので、太洋社の事情には詳しくない

ワンフェスのエスカレータ事故について雑感

ビッグサイトエスカレーター事後が全く報道されなくなりましたね。
だから、非常時に効かない非常ブレーキって何だと。その点だけは譲れないわ。
「非常識」な主催者やオタクに落ち度があるにしてもよ。
俺が譲らなかったからどうもこうもないけどさ。

書店員の呪い

「棚を荒らすものに災いあれ!」と書店員は言った。
もうね、資格試験(漢検、英検)と、就職試験(面接とか、一般常識とか)の棚の荒れっぷりが酷いので、そんな奴はみんな試験に落ちてしまえばいいと思った。